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アーティスト

アーティスト

    ヴァイオリン

    前橋 汀子

    MAEHASHI Teiko
    2022年に演奏活動60周年を迎えた前橋汀子は、日本を代表する国際的ヴァイオリニストとして、その優雅さと円熟味に溢れる演奏で、多くの聴衆を魅了し続けている。5歳から小野アンナにヴァイオリンを学び、その後、桐朋学園子供のための音楽教室、桐朋学園高校を通じて斎藤秀雄、ジャンヌ・イスナールに師事。17歳で旧ソ連国立レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)創立100年記念の一環として、日本人初の留学生に選ばれ、ミハイル・ヴァイマンのもとで3年間学んだ。
    その後、ニューヨーク・ジュリアード音楽院でロバート・マン、ドロシー・ディレイ等の指導を受け、さらにスイスでヨーゼフ・シゲティ、ナタン・ミルシテインの薫陶を受けた。
    レオポルド・ストコフスキーの指揮により、ニューヨーク・カーネギーホールで演奏会デビュー。国内外で活発な演奏活動を展開し、世界各国の代表的なオーケストラとの協演も数多く、ベルリン・フィル、英ロイヤル・フィル、フランス国立管、クリーヴランド管、イスラエル・フィル等枚挙に暇がない。指揮者もメータ、ロストロポーヴィチ、ケンペ、サヴァリッシュ、マズア、小澤征爾ほか多彩なマエストロたちと協演している。スイス・ロマンド管弦楽団とは国連コンサートに招かれ、その演奏の模様は全世界に放送された。室内楽の分野でも、ピアノのイェルク・デームス、クリストフ・エッシェンバッハ、アナトール・ウゴルスキ等の名手たちと共演している。
    近年小品を中心とした親しみやすいプログラムによるリサイタルを全国各地で行い、2005年から年に1回東京・サントリーホールで開催している「アフタヌーン・コンサート」は大好評を博している。一方、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ」全曲演奏会、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、そして2014年秋からはチェロ:原田禎夫、ヴァイオリン:久保田巧、ヴィオラ:川本嘉子と共にベートーヴェン:弦楽四重奏曲の演奏会を行うなど、室内楽にも意欲的に取り組んでいる。
    レコーディング活動も活発に行い、デビューアルバム『チゴイネルワイゼン』、文化庁芸術作品賞を受けた『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全集』、その他『ヴィヴァルディ:四季』、『メンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲』、『ヴァイオリン小品100曲選シリーズ全6巻』、自身2度目の録音となる『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全集』等々がある。
    最新CDは秋山和慶指揮、オーケストラ・アンサンブル金沢との『ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調』が2022年6月に発売。著書「私のヴァイオリン 前橋汀子回想録」が早川書房より、最新刊「ヴァイオリニストの第五楽章」が日本経済新聞出版より出版されている。
    2004年日本芸術院賞、2007年第37回エクソンモービル(現・ENEOS音楽賞)音楽賞洋楽部門本賞受賞。2011年春の紫綬褒章、2017年春の旭日小綬章を受章。
    使用楽器は1736年製作のデル・ジェス・グァルネリウス。
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