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出演アーティスト

福原 佳三
ピアノ

福原 佳三

FUKUHARA Keizo

北海道室蘭市出身。
1987年、宮城教育大学教育学部音楽科卒業。
高校教員を目指していたが、1986年、大学在学中に宮城フィル(現仙台フィル)特別演奏会「協奏曲の夕べ」に出演することをきっかけにピアニストとしての道を歩き出す。

1986年~2003年まで、仙台フィルハーモニー管弦楽団、仙台フィルのメンバーを中心に構成された仙台チェンバーオーケストラ、山形交響楽団、尚絅女学院短期大学管弦楽団、会津市民オーケストラ等と度々共演。
1994、1995年、沖縄ムーンビーチミュージックキャンプに参加。
1995、1997年、イタリア シエナのキジアーナ音楽院夏期セミナーに参加。
1998年、メシアン作曲「アーメンの幻影」、
2000年、ジェフスキー作曲「不屈の民変奏曲」などの長大な現代曲も演奏している。
2002年、ベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会を10年計画でスタートさせる。
同年、第11回仙台市芸術祭スペシャルセレクション「きょうえん」にて、メシアン作曲
「アーメンの幻影」を演奏する。
同年、宮城県芸術選奨新人賞受賞。
2003年1月、仙台フィル特別演奏会「新作によるオーケストラ作品展」にて、八島秀作曲
「回想 ―ピアノとオーケストラのための― 」を初演。

同年8月、東京上野で大型バイクにはねられる事故に遭い右後頭部を強打、6日目に意識が戻り一命を取り留めたが、「び慢性軸索損傷」の診断名を受け、左半身麻痺の後遺症が残る。
2007年、事故から4年、4回目であったベートーヴェンチクルスVol.Ⅳ「生きる証」~私を支えてくれたすべてに…私は生かされた~によって復帰演奏会を実現させる。同年9月、岩手県盛岡市つなぎ温泉病院企画、患者さんを対象にした「福原佳三ピアノ コンサート」に出演、以後、毎年出演する。同年11月、岩手県雫石町ららガーデンにて「クフモの夢 実現」コンサート、N響ヴァイオリン奏者故林智之氏と共演、フィンランドのクフモ音楽祭での事故直前の約束を果たす。2009年、「新生~心殊なる音の調べ」では、仙台市在住の作曲家、八島秀氏、佐々木隆二氏、石川浩氏による福原佳三をイメージするオリジナル作品の作曲を演奏。同年、「音畑の幸せ」~心を何にたとえよう~テクニックではないところからの感動~を企画し、同じ交通事故の後遺症をもつ声楽家 栗原真弓氏らと共演。2010年から渡英し、英国王立音楽院ピアノ科主任教授のクリストファー・エルトン氏に2年間師事。
2012年、ロンドン ユナイテッド・リフォームド教会にて、「Romance and Passion」の
演奏会に出演。2013年、帰国コンサート「福原佳三ピアノリサイタル」~午後のひととき~を開催し、復帰演奏会以降アンケートに記入いただき、応援、支えていただいた方々を招待する。同年、マンドリンの世界的な演奏家ドリナ・フラティ氏とリサイタル共演。

ベートーヴェンチクルス 全曲シリーズ
Vol.Ⅰ 2002年4月29日 「仙台フィルのメンバーとともに」
Vol.Ⅱ 2002年10月14日「仙台フィルのメンバーとともに」
Vol.Ⅲ 2003年4月30日「仙台フィルのメンバーとともに」

Vol.Ⅳ 2007年5月2日「生きる証」~私を支えてくれたすべてに…私は生かされた~
Vol.Ⅴ 2008年5月2日「愛」~ああ、千の人生を生きることができたなら、
何とすばらしいことか~
Vol.Ⅵ 2009年8月22日「新たなる挑戦」~苦悩を突きぬけて歓喜へ~
Vol.Ⅶ 2016年8月20日「支えるもの」~人を愛し、人から愛されたかったベートーヴェンの聴力が衰え始めた時期の作品、そして難聴がすっかり進んでしまった後期三大ソナタの一曲目を音にする~
Vol.Ⅷ 2018年7月1日「心から心へ」~運命の喉元を掴んでやる、運命に完全に負けはしない。ベートーヴェン~

《2007年復帰演奏会ベートーヴェンチクルスVol.Ⅳ「生きる証」のプログラムより》
一時、視力や味覚、臭覚さえも衰えてしまった中で、
僕の耳だけはいろんな音を僕に伝えていました。
まだ一つの音符が葡萄の房のように見えていた去年の今頃が
もう何十年も前のことのようです。

僕の左手は、昨日も今日もゆっくり成長しながら、
音楽の変化をもたらしています。
今、幸せに満ちた僕の喜びが
一人の人間の小さな生きる証として
皆さまにお伝えできたら、大変嬉しいです。

《2018年ベートーヴェンチクルスVol.Ⅷ「心から心へ」のプログラムより》
最も偉大なソナタと言われる「ハンマークラヴィーア」にたどり着くまで17年。
10年計画で順調に見えた3回の演奏会。その後、突き付けられた現実。
動いたのにコントロールできない指、身体は突然僕を裏切る、これが麻痺…。
精神のあり方まですべての自分を受け入れることでしか次に進むことができない僕の
ベートーヴェンピアノソナタ。ご来聴いただく皆様、今日は本当に有難うございます。

PROGRAM

  • 福原佳三 魂を揺さぶるその音色に込められた希望への響き
    福原 佳三(ピアノ)
    10月6日|日| 15:15~16:00
    F|エル・パーク仙台|スタジオホール
    P: 597-745
    ベートーヴェンの人生に重ね合わせるように、左半身麻痺になった自分の絶望感さえも音楽の糧として、不屈の精神でピアノへの情熱を失いませんでした。 今回は、ベートーヴェンに影響を受けた作曲家の作品を集めて、皆さまの心に音色をお届けします。 魂を揺さぶるその音色に込められた福原佳三の世界をお聴きください。
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