せんくらブログ③

2015.08.16| 福田進一

今年のせんくらでは、長い人生の中でほとんど御縁のなかった楽器、バンドネオンとの共演、しかもその若手実力派の三浦一馬さんとの共演ということで、ドキドキワクワクしています。

ほとんど御縁がなかったと言いましたが、20年以上昔には大御所の京谷弘司さんとはピアソラのギターとバンドネオンの為の協奏曲を初演したり、デビューしたての頃の小松亮太さんとも演奏したのですよ…

が、その後タンゴの世界とのお付き合いが少なくなってしまいました。

というわけで、三浦さんのような若い世代のバンドネオン奏者との出会いは、私にとって久しぶりに刺激的な事件です!

ピアソラだけでなく、様々なクラシック作品も披露します。

4日11時45分から
エル・パーク仙台/ギャラリーホール

お楽しみに!

 

福田進一

せんくらブログ②

2015.08.15| 福田進一

さて、今回二つ目の公演は日本を代表する女流フルート奏者 高木綾子さんとのデュオ・コンサートです。

高木さんとは、彼女の清々しいデビュー以来、何度も共演させていただきました。

そのスケールの大らかな歌心に溢れた演奏に、いつも横で伴奏しながら…感動しています。

もう11年ほど前になりますが、高木さんとは共通のレコード会社であった日本コロムビアの企画で「海へ」というアルバムを作りました。

イタリア経由でスイスのバーゼル近郊の教会での録音は実に楽しいセッションでした。

今回の「せんくら」では、この時からのレパートリーであるラヴェル、イベール、ピアソラなどの小品にヘンデルやバッハのソナタを加え、フルートとギターならではの楽しいアンサンブルを聴いて頂きます。

ヘンデルのソナタは公式サイトではハ長調となっていますが、イ短調作品1の4
を演奏させていただく予定です。

3日11時45分からエル・パーク仙台/スタジオホールでのコンサートです。

 

2015.8.15
福田進一

せんくらブログ①

2015.08.14| 福田進一

さて、再び「せんくら」の季節が近づいてきました。

 

仙台クラシック・フェスティバル、「せんくら」なんと今年で10周年を迎えました!

 

10年、なんと言う重みでしょう!この画期的な音楽フェスティバルに、私は幸運にもその第一回から参加させていただいています。震災の2011年を除いて9回目の参加です。本当に名誉なことだと感謝しております。

 

多くの皆様から、毎年10月に「せんくら」でギターが聴ける事が嬉しいという喜びの声を頂き、様々なジャンルの音楽が集うこの絶好の機会に、ギター音楽の魅力を少しでも多く知って頂こうと、毎年のプログラムには趣向を凝らしています。

 

(と、ここまで書いて、なんと!これに酷似したブログを去年書いてる事が判明しました。トホホです!)

 

でも、主旨を変えるわけにいかないので続けますね。

これまで、せんくらでは、バッハの組曲や19世紀古典派の知られざる作品、武満徹さんの現代作品やビートルズ・アレンジ、またフルートや弦との室内楽、そして「アランフェス協奏曲」と幅広いレパートリーを披露してきました。

 

というわけで、今年ひとつ目の公演は昨年好評だったスタンダード名曲集の拡大バージョン。ギターの姉妹楽器、リュートの名手ダウランドの名作やバッハのチェロ組曲から抜粋、そしてブラジルの楽聖ヴィラ=ロボスの名曲5つのプレリュードをメインに聴いていただきます。10月3日(土)16時からエル・パーク仙台ギャラリーホールで開演です。

 

もうチケット完売との事、満場のお客様との楽しい時間、いまから想像してワクワクしています!

実は…

今、韓国/楊平で行われている国際ギターフェスティバルに招かれています。

毎日のコンサートの合間に続きを書きます!

 

福田進一

せんくらブログ《3》

2014.07.19| 福田進一

オーストラリア、グレートバリアリーフにて

さて、今年の3回目は、その建長遣欧使節のスペイン到着から400年を記念した「せんくら・スペシャル・ガラ/スペイン名曲コンサート」、私はヴァイオリンの西江辰郎さんとのデュオで参加します。
西江さんとは、これまでにオーケストラ共演ではお世話になっていますが、ソリスト同士としては初顔合わせです。
ファリャのスペイン民謡組曲からの情熱的な3曲、今から共演が楽しみです。

このコンサートは10月4日(土)14時45分からイズミティ21大ホールで行われます。

 

毎年の「せんくら」での楽しみと言えば、数々の出演者との交流です。
年に一度、多忙を極める演奏家が仙台に集ってきて百回近い公演を一気に行うのですから、本番前の舞台裏はまるで同窓会です。
その名手たちとの共演も楽しいのですが、やはり演奏後の打ち上げパーティーは大いに盛り上がります。
そのパーティーを更に盛り上げてくれるのが仙台の豊富な海山の幸と銘酒の数々でしょう。
今年は誰が来るのかなあ、誰と吞むのかなあ、何を食べようかなあ、というワクワク感が「せんくら」が始まる前の楽しみでもあります。

 

是非の御来場をお待ちしております!

福田進一

せんくらブログ《2》

2014.07.18| 福田進一

アリカンテの生徒たちと…

今年のせんくら、2回目のコンサートは、チェロの名手 長谷川陽子さんとのデュオです。
その素晴らしい音楽性、歌心、そして太陽のように明るく、いつも生き生きとした陽子さんの人柄。
私は彼女のデビュー前からの大ファンでしたが、レコード会社が同じになったこともあって共演の機会が多くなりました。
12年ほど前にブラジル音楽を中心としたCDも発表し、この「せんくら」でも何度もご一緒させて頂きました。
今回はお互いのソロの後、パガニーニ、チャイコフスキー、バルトークなどクラシック音楽の名曲集を聴いて頂きましょう。
チェロとギターはお互いの音域が近いこともあって、耳に優しく解け合うアンサンブルが魅力です。

このコンサートは日立システムズホール(青年文化センター)シアターホールで10月3日(金)17時45分開演です。

 

さて今年は、支倉常長が送り出した建長遣欧使節のスペイン到着から400年。
この記念の年を祝って様々なイベントが行われています。
私はこの5月末にスペイン東海岸の都市アリカンテの大学からの依頼でリサイタル、続いて一週間のマスタークラスを教えました。
世界10カ国から集った14人のギタリストを教える仕事は大変でしたがとても刺激的な新しい体験でした。
そしてもう一度、「せんくら」の後10月の半ばからスペインに参ります。
南部アンダルシア地方の古都セビリアの国際ギターフェスティバルが招待してくれました。
先日聞いた話ですが、セビリアの近くには建長遣欧使節団の末裔が住みついた村があるとのこと。
なんとその住民は皆「JAPON」という姓を名乗っているそうです。
是非訪ねてみたいと思っています。

福田進一

せんくらブログ《1》

2014.07.17| 福田進一

アリカンテでのリサイタル

仙台クラシック・フェスティバル、「せんくら」も、早いもので第9回目を迎えることになりました。

世界でも類を見ない、この画期的な音楽フェスティバルに、私は幸運にもその第一回から参加させていただいています。

多くのファンの皆様から、毎年10月に「せんくら」でギターが聴ける事が嬉しいという喜びの声を頂き、私は様々なジャンルの音楽が集う絶好の機会に、ギター音楽の魅力を少しでも多く知って頂こうと、毎年のプログラムには趣向を凝らしてきました。

これまで、バッハの組曲や19世紀古典派の知られざる作品、武満徹さんの現代作品やビートルズ・アレンジ、またフルートや弦との室内楽、そして昨年はロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」をオーケストラと共演させて頂きました。

 

さて、今年は再び原点に戻った気持ちで、まずはクラシック・ギター音楽の王道であるスタンダードなスペイン音楽をソロでお届けします。
近代のギター音楽と奏法の基礎を確立したスペインの作曲家、フランシスコ・タレガの名作「アルハンブラの思い出」に始まり、ギターをイメージして作曲されたグラナドスやアルベニスのピアノ作品からの編曲の数々、そしてロドリーゴが60歳の時に作曲し、パリ国際ギターコンクール作曲部門で優勝した隠れ名曲「祈りと踊り」に至るスパニッシュ・アンソロジー「スペインの風」は10月3日(金)12時から「イズミティ21」小ホールで開演です。

福田進一

三番目のギターは・・・―2013.09.16

2013.09.16| 福田進一

おしまいに、今回の「せんくら」では、梅田俊明指揮/仙台フィルハーモニー管弦楽団との初共演が楽しみです。

曲はおなじみのロドリゴ「アランフェス協奏曲」。
私は今夏、アメリカ公演(西海岸メンドシーノ音楽祭)でもこの協奏曲を弾いてきました。
もう100回以上の本番を重ねた曲ですが、共演する指揮者やオーケストラによって毎回新しい発見があります。

今回のアランフェス協奏曲では、ドイツ人の親友シュテファン・シュレンパーが2004年に製作した専用アンプ付きのコンチェルト用ギターを使用します。

ギター製作家になる前は、サウンド・エンジニアをしていたというシュレンパーは、電気的ではない自然なサウンドの増幅装置と、それに適したマイクロフォンを内在したギターの開発を進め、この10年ほど私のヨーロッパでの大きな仕事を手伝ってくれています。

彼のギターは増幅に頼らずとも充分に大きな音が出せるのですが、さらにサウンド・ホールの中心にある高感度マイクと弦を止めてあるブリッジの下に埋め込まれた感圧素子の2系統からの信号をアンプ内蔵のスピーカーに送り込んで鳴らします。

これによって、オーケストラとの対話にも充分に耐えうる大きな音のギターを実現しました。

ロドリーゴのアランフェスは、
10月5日(土) 19:45~20:45 イズミティ21/大ホール です。

また、ガラ・コンサートでは愛弟子の鈴木大介君と、10月6日(日) 14:45~15:45 イズミティ21/大ホールで共演します。
こちらは映画音楽、ニーノ・ロータとモリコーネをお届けします。

3日にわたって、文章ではとても説明出来ない3つの楽器の音色を説明してきましたが、
仙台の皆さん、是非その耳で確かめにきて下さいね。

「せんくら 2013」でお会いしましょう!
福田進一(ギター)

もうひとつのギター

2013.09.15| 福田進一

さて、もうひとつ私の演奏するギターは「19世紀ギター」と呼ばれている、1800年~1860年の間に使用された小ぶりのギターです。

この楽器は「ルネ・フランソワ・ラコート」というフランスの名工が1840年頃に製作したものです。
この時代のギターは、前回も書きましたが現代のギターの元祖アントニオ・デ・トーレスが多彩な音色を出せるように開発するより遥か前の楽器で、多彩な装飾が施されていますが、内部は非常に単純な構造をしています。

表面の板を振動させる力木は、数本しかありません。
ほとんど、本来の木が持っている自然な力で鳴っているような楽器です。

そこには、現代人のロマンチックに加工された音ではなく、古典期の人間が持っていた健康的かつデリケートな、まさに心の琴線に触れる温かい音を出す楽器なのです。

私がこの楽器を手に入れた1991年の段階では、世界中に数人しか真剣に取り組むギタリストはいませんでした。

22年の月日が流れ、古楽の研究も進み、聴衆の理解も深まり、この「古くて新しい音」の出る楽器のファンも増えているのは喜ばしいことです。

今回のプログラムは19世紀を代表するギター奏者・作曲家のフェルナンド・ソルを特集します。
スペインのバルセロナに生まれ、様々な音楽をモンセラート修道院で学んだソルは、19才でパリに出て最初はバレエ音楽の作曲家として名を成します。

後に、ギター教本や「魔笛の変奏曲」をはじめとする数々の名曲を生み出しますが、ロンドンやモスクワなど、旅の連続のその人生は決して楽ではありませんでした。

ソルが愛用した名器「ラコート」を使ってのコンサートは10月6日(日) 10:45~11:30
日立システムズホール仙台(青年文化センター)/交流ホール) です。

魔笛、グラン・ソロなどの名曲とある貴婦人の死を悼んで書かれた
秘曲「悲歌風幻想曲」などを聴いて頂きます。
福田進一(ギター)

お久しぶりです! 

2013.09.14| 福田進一

仙台の皆さん、お久しぶりです!
ギターの福田進一です。

今年も「せんくら」の季節がやってきました。
思えば、第1回せんくら、その最初の演奏会が私のソロ・リサイタルでした。

あれから8年、震災の年だけは参加出来ませんでしたが、毎年このフェスティバルに常連のように出演させて頂けること、今や私にとって大きな楽しみと喜びとなっています。

今年はどんなプログラムを弾こうか、どんな音楽家と共演しようか、昨年のあの熱心なお客様にまたお会いできるだろうか…
いつも「せんくら」が始まる前に様々な期待感が胸をよぎります。

さて、今年は3種類の異なるギターを使い分けての参加となります。

まず、
バッハ・リサイタル(10月5日(土) 16:15~17:15
日立システムズホール仙台(青年文化センター)/コンサートホール)
では、1947年に製作されたドイツの名器「へルマン・ハウザー」を
使用し、オール・バッハのプログラムを聴いて頂きます。
えっ?ギターなのにドイツ製が良いの?と思われるでしょうね…
そうなんです。
現在、世界的に最も評価も高く、値段も高いギターはドイツの「ハウザー1世」なんです。
ほんの数年前にアメリカのオークションで落札された1951年のハウザー1世は、軽く一戸建てが買えるほどの史上最高額がつきました。
この名器ハウザーの誕生にはギターの巨匠アンドレス・セゴビアの助言が関わっています。

1925年頃にヨーロッパ・ツアーを行ったセゴビアは、当時まだ32歳でしたが、すでにギターの巨匠としての地位を確立しつつありました。
ミュンヘンを訪れたセゴビアは、これまでウィーン派の伝統的なギターを作っていたハウザーにスペインの名器であり全てのギターの元祖とも言えるアントニオ・デ・トーレスの存在やその流れを汲む自分の楽器マヌエル・ラミレスなどの「音」を伝え、研究するよう示唆したのです。

それからわずか10年後には、ハウザーの製作技術は、セゴビアがレコーディングでのメインの楽器として使用するレベルにまで成長しました。

特に、1936年に出来た逸品は「もう頼むからこれ以上のギターを作らないでくれ」と、セゴビアに言わせしめ、彼はその楽器がライバルの手に渡るのを恐れたのだとも言い伝えられています。

今回のリサイタルで使用するのはさらに10数年後の1947年作のハウザー、私にとっても、これ以上の音のギターを弾いたことはありません。
ライフ・ワークにしているバッハ作品のなかから、チェロ組曲、ヴァイオリン・パルティータ、そして名曲シャコンヌを中心にしたプログラムをお届けします。
福田進一(ギター)

タンゴの歴史 

2012.08.19| 福田進一

さて、今回の「せんくら」でフルートの荒川洋さんと演奏するアストル・ピアソラの名作「タンゴの歴史」は、そのタンゴの発展の有様を20世紀初頭から表現した名曲です。

話は1900年、ブエノスアイレスの場末から始まります。
第1楽章の 「Bordel (ボルデル)1900」これは酒場にてと訳されることも多いのですが、実際は売春宿、いかがわしい場所のことです。

世界中の駅や港町には必ずそういう場所が存在しますが、ブエノスアイレスもその例外ではありません。

世界各地から集まる多種多様なお客たちは、好みのお姐さんを待つ間、ちょっとした気晴らしの音楽を求めました。
それが初期のタンゴの在り方です。
大抵はフルートまたはクラリネットがメロディーを担当しギターが伴奏。ここで奏でられたのは、ひたすら明るい楽しい、陽気なお囃子風の音楽でした。

30年後、タンゴはカフェに進出していました。
第2楽章 「カフェ1930」は、一転して甘くメランコリックな旋律。
世界は大きな戦争の流れの中、退廃的な空気に満ちていました。
束の間の出逢い、別れを惜しむ恋人たち、その横で奏でられるヴァイオリンの感傷的なメロディー。
この曲はまさにその時代のセピア色の景色を見事に表しています。

続く、第3楽章は「ナイトクラブ1960」
ここでピアソラというタンゴの革命児が登場します。
アニバル・トロイロの率いる伝統的な楽団を離れ、それまでのキャリアを捨てて作曲家としてデビューしたピアソラはそれまでにあった既製のタンゴを破壊し始めたのです。
2拍子系のリズムに3拍子を持ち込み、組み合わせて5拍子や7拍子のタンゴを生み出しました。
保守的なタンゴファンの抵抗は相当なものだったようです。
この楽章はその新しいタンゴの萌芽を聴くことが出来ます。

そして、第4楽章は「現代のコンサート」
タンゴはストラヴィンスキーやバルトークをはじめとするクラシックの作曲家にも影響を与え、また多くの演奏家~タンゴ弾き以外のあらゆるジャンルの演奏家に受け入れられ演奏される音楽となりました。

ここでの激しいリズムの躍動は、もはや旋律線を感じさせない新たな時代の音楽となっています。

この「タンゴの歴史」は、1982年にベルギーのリエージュ国際ギターフェスティバルの委嘱で作曲、初演されたものです。

日本では2年後の1984年に東京/音楽之友社ホールで
工藤重典さんのフルートで私が演奏しました。

多くの日本人がピアソラの存在を知らない時代に、会場におられた武満徹さんから暖かい声援を頂いたのを今でもはっきり覚えています。
その後30年、世界中で最も多く演奏されるフルートとギターの定番曲になったのは本当に嬉しいことです。
福田進一(ギター)

最新の投稿

カテゴリー