次は<CMで聴いたピアノ名曲集>。
前半で以下の4曲を弾かせていただきます。
リスト:愛の夢(京セラ クレサンベール)
バダジェフスカ:乙女の祈り (ユニマットレディース)
ベートーヴェン:月光の曲 (三菱電機 DVDカーナビ)
ベートーヴェン:エリーゼのために(関西ツーカーフォン)
リストさんはご自身が大ピアニストで、現在のリサイタルという演奏会のやり方を初めておやりになった方だとか。それまでは貴族に呼び出されたときに弾く、とかだったのでしょうねー。
バダジェフスカさんは、ポーランドでショパンよりちょっと後に生まれた女性。ショパンさんも30歳代で亡くなっていますが、バダジェフスカさんは23−4歳というさらなる若さで病没されたそうです。ほとんどこの「乙女の祈り」だけで知られていますが、この曲もちゃんとしたホールのリサイタルで聴く機会は余りないと思います。せんくらならではの選曲ですね。
ベートーヴェンの「月光の曲」は、ピアノソナタ第14番作品27-2の第1楽章です。これまた「月光」という名はベートーヴェンが名付けたものではありません。ベートーヴェンは幻想曲風ソナタ(Sonata quasi una fantasia)と名付けています。
ベートーヴェンはバガテルと言われる性格的小品をかなり書いており、いずれもピアノソナタに劣らない力作、名作ばかりで今後も残っていく作品群だと思います。そのなかでどういうわけか「エリーゼのために」だけは別格にウケテおり私が知っているだけでも次のような使われ方をしています。
1)宇多田ヒカルさんが「幸せになろう」(アルバム『DEEP RIVER』収録)という曲で「エリーゼのために」を原曲として使った。
2)プロ野球の千葉ロッテ マリーンズが、勝ったときや得点を入れたときに、トランペットでこの曲を吹き、合わせて「千葉・ロッテ・マリーンズ」と声をあげる。
そもそもこの曲は実は「テレーゼのために」とベートーヴェンが書いたものが、その悪筆のために「エリーゼ」と間違えられた、という訳のわからない説があるくらいで、最初からどこか違った運命にある曲なのかもしれません。
雄倉恵子(ピアノ)