今年もせんくらに出演させていただくことになった打楽器の池上英樹です。
今年は昨年とガラッと変えて、マリンバのデュオを中心に名曲をお届けします。そしてアコーディオンの御喜美江さんとの共演や、昨年好評いただいた?ワークショップもやります。
このブログを依頼されて、つくづく1年は早いな〜と感慨深い気持ちでいます。さらに成長した姿をお見せできるように準備します!
昨年秋からを振り返ると、踊りのほうも少し進化したり、クラシックの活動はいろんな方々と共演しました。
ソプラノ歌手の方とデュオコンサートをやって、オペラや歌曲の伴奏などもマリンバで挑戦し(これは世界初のことだと思います!?)、歌の世界にも少しずつ接近しています。
パフォーマンスの方もいくつかの公演でトライしました。
さて、僕は一体どこへ向かおうとしているのでしょう。。。
自分的にはこれを最終的に一つの形にまとめていく構想を進めています。たとえばオペラのようなこと。
今までにないような打楽器作品(その中には芝居や動き、ドラマが含まれています)を作ることが夢になっています。
何年かかっても産んでから死にたい!と切望している今日この頃です。
池上英樹
オフィシャルHP http://www.hideki-ikegami.com
山梨に移り住んで、今年で3年になります。
海外で買い集めた楽器や、新作をやるごとに増えていった楽器たちが今は家のほとんどを埋め尽くしています。
楽器と共に移住する宿命です、ホントに。
演奏の半数を占めるマリンバもヨーロッパで主流なアダムスというオランダ製の楽器を使用しています。音域が5オクターヴ半という広さを特注で作ったのが7年前で、その当時は世界に1台しかない楽器でした。
まだまだ発展途上中の楽器ですが、世界中それぞれ特徴をもった楽器があります。
打楽器と言うと叩くだけで、音色などそんなに変わらないのでは?と思われるかもしれません。しかし、風鈴一つとっても一音鳴るだけで何かしらの感覚を呼び覚ますものですよね?その同じものが一つとない音を求めて楽器はどんどん増えていきます。ちなみに風鈴だけでも10個以上はあります。。。
人それぞれ違うように、同じ種類のものでも音色が全く違います。
マリンバでは、他の西洋楽器と同じように一つの楽器からいかに様々な音やニュアンスを引き出すか、という楽しみがあり、打楽器もまたそうですが、いろんな楽器を組み合わせて無限の音世界を作れるという、大変ですが挑戦しがいのある分野です。
これから演奏会のために楽器たちを車に積み込んで移動です。
新しい作品はどのように観客に響くのでしょうか。。。
池上英樹
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今日はまずマリンバについて書きますね。
この楽器まずどうやって運んできたの?といつも不思議がられます。
でかいんですよね、確かに。
長さは3メートル弱あり、コンサートグランドピアノと同じくらい。しかし分解できて少し大きめの車なら積んで移動できます。
上の鍵盤ははずしてのり巻き状に包んで2つのたわらができます。その後、鍵盤を支えている4つの棒状のものは折りたため、2つセットで包みます。残るはパイプと側板ですが、これも2つ、ないし3つになり、重ねられるようになるんです。ここまで作業約15分、そのあと積み込みしても30分あれば完了です。
女性ひとりでは大変だと思いますが、みんな打楽器の人は学生時代から鍛えられているので当然のようにやっています。大変なのは打楽器!
それはまた明日。。。
池上英樹
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打楽器の作品は当然ながら一曲一曲使用する楽器が違います。
オーケストラに使用するようなシンプルな西洋打楽器から、民族楽器、更には自作しなければならないようなものまで多岐に渡ります。
僕がミュンヘンコンクールの時にやった曲では特に楽器指定もなく、音程関係だけが示されている曲等もあり、いろんな楽器が欲しかったのですがお金もなかったのでいくつかは100円ショップ?!(本当です)でも調達しました。。。
今トライしている作品も、楽器は指定なしで、ある発音の感じと似ている音の楽器を探せ!というものもあります。
毎回四苦八苦していますが、ただやることに意味があるというだけのことではないので、やはりその作品の肝心な部分まで到達できるよういろいろな方向から勉強しています。
今はさらに演劇的な方向に向かっています。
7月に初演する作品も声や少し演技的なものも組み込んで作ってもらっています。
以下先日演奏したケヴィン・ヴォラン(作曲家)の言葉から引用します。
この言葉は現代音楽全般に通じること、そしてクラシックとして評価が確立されている(ように見える)作品についても言えるのではないでしょうか?
「トーキングドラムを含んでいる音楽のコンサートでは、ドラムスがメッセージを中継するのに用いられるとよくいわれています。でも、不思議に思うのは、私たちはこれを話せますか?このいくらかのメッセージを理解しようとして、私たちはこの音楽を違ったふうに聞かなければならないでしょうか?または、彼らが伝達しているかもしれない重要なニュースを抜きにして、私たちは絶対音楽として音を評価しているでしょうか?そして、理解されていないことを知っている上でメッセージを送り、エネルギッシュにパフォーマンスしている彼らはどうでしょうか?
この混乱させるイメージはShe Who Sleeps With A Small Blanket へ最初の創作意欲と刺激を与えました。 K.ヴォラン」
池上英樹
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毎朝山梨にいる時は散歩しています。
いろんな木々の間をくぐりぬけながら毎日感じ方が違うことに、自分でも不思議なもんだと思っています。
こんな朝の光を詩に出来て、素敵なメロディーがつけられたら、ドイツ歌曲の珠玉の作品たちのようになるような。。。
僕の先生も歌の歌詞を読んでいる時、愛の目線だな〜とよく感じました。
歌詞がない僕の楽器でも同じこと。
楽譜を見つめる時、いろんな愛の形はあるでしょうが、愛の目線で読みたいといつも思っています。
池上英樹
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せんくらでもやらせていただいたストレッチ講座。
昨年からクラシックバレエの先生のもと習い始めたのがはまるきっかけで、今はレッスンビデオを見ながら、いける時は習いながらやっています。打楽器ほど柔軟性を要求される楽器はないかもしれませんね。
今年のせんくらでは、昨年より進化した柔軟性のためのストレッチや、リズムの取り方のうちで非常に奥深い裏拍の感じ方を体感するクラスなどをやろうと思っています。
その中でアフリカンリズムや、フラメンコのリズムなどを使って、裏の感覚が呼び起こされるといいな〜と思います。
僕は歌の発声やピアノ奏法などを参考にして自分なりの奏法を考えてきたんですが、音色やニュアンスを引き出すために、ピアノのように鍵盤を押さえておけないために、音をつなげるために様々な身体的感覚を必要とします。そんな打楽器の叩くだけからの脱皮にも皆さんに理解してほしいなあともエラそうに思ったりしています。
池上英樹
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この1週間も楽器のこと音楽のことばかり書いてしまいました。去年はふざけたこともいっぱい書いたような気がしますが、今はこのモードです。お付き合いくださってありがとうございました。
僕は何度か書いたかもしれませんが、歌の先生にずっと習って、それを打楽器に置き換えてやってきました。
それはなによりも歌が好きなこともあるでしょうが、打楽器でもっと皮膚感覚に通じる何か、内面を外に出せる何かを心から欲していました。
歩みはのろいですが、自分の思う音に向けて。。。
その発展途上の中ではありますが、せんくらでまた聴いていただけるのを励みに、毎日、富士山の麓で考えながら練習しています。
池上英樹
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